2013.07.30 Tuesday
わたしの奥の静寂の池 |組員日誌 |
みなさま、暑い日が続きますがお元気ですか?
先日も、福寿が蓮の花の写真をあげていたので、ちょっと迷いましたが私も・・(笑)
こちらは韓国ではなく、京都のある有名なお寺を訪れた時の蓮の花です。
昼下がりの境内には、蓮だけではなく白や紫の桔梗も咲いており、隅々まで手入れされた庭は、思わず深呼吸する気持ちよさでした。
アパート暮らしの身としては憧れるばかりですが、お庭を持たない私も、実は頭の片隅に小さな睡蓮の池を持っています。
アメリカの絵本作家のターシャ・テューダーさん著の「思うとおりに歩めばいいのよ」という写真とコラムの本があります。
2008年に92歳でなくなった彼女は、4人の子供を育て上げた後に40代後半で離婚。
バーモント州の田舎で自給自足と花を育てるスローライフなひとり暮らしを満喫しながら絵を描き、自分らしく生涯を送ったアメリカを代表する絵本作家です。
その著書の中に、「家事や仕事中に、これまでの失敗や過ちをふと思い出すことがある。そんなときは、急いで考えるのをやめ、スイレンの花を思い浮かべる。スイレンはいつも沈んだ気持ちを明るくしてくれる。・・思い出すのはがちょうのひなでもいいのだけれど。」というような内容の一節があるのです。
初めてその一節を読んだ時、素晴らしいヒントをもらった気持ちになりました。
がんばれ、がんばれ、と自分に叱咤激励の声をかけるのもいいけれど、心の奥に、自分だけのきちんと腰をおろせる静かな風景があれば、人はへこたれないのではないか?と感じたのです。
それから、私は想像力の片隅に、睡蓮の咲くちいさな庭を持つようになりました。
実はこのところ、その庭のことさえ忘れてしまっていたのですが、こないだ久しぶりに睡蓮の手入れをしてきました。
私は睡蓮のほかにもうひとつ思い浮かべるものがあって、それは青い静かな海の底でゆっくりと砂の上に横たわっているという感覚です。
おかしなものですが、私はその遠い風景をとりだすことで、何度も心が救われてきました。
前世は、深海の貝だったのでしょうか?(笑)
小夏