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パン屋の粋  |組員日誌 |
『パン屋の粋』大西玲子

閉店間際、ズザザッとパン屋に入った。
どうしてもそこの塩パンが食べたくて。
ラスト1個の塩パンと、チーズと枝豆のパンをトレーに乗せレジへ。
目の前には、もうコインカウンターが出ていた。
『Oh……こんなギリギリに来てごめんなさい……』
お店の方は、わたしの母くらいの年齢に見えた。
計算を終えるや、

「なにか、好きなのもうひとつ取っておいで」

え!この東京でまだこんなことがあるのか!
「ひゃー嬉しいです*.゚」
驚きと喜びが混ざるとき人は本当にひゃーと言う。

選んだのはエピ。私はエピが好きだ。
エピを渡すと、

「サンドもどう?」

え!え!
遠慮なくいただきました。
ペッパービアソーサンド。
冷蔵のショーケースに並んだペッパービアソーサンド。

この、
「サンドもどう?」
の言い方が、なんとも言い慣れたもので、帰り道練習してみたけれど全く適わなかった。
ホンモノの響きには太刀打ちできない、でも私は確かにホンモノをこの耳で聞いた、これは糧になるぞと嬉しくなった。

いただきます。


大西玲子